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看板の安全点検の義務
屋外広告物の安全点検は、広告物(看板)の安全を確認するために各地方自治体で義務化されています。義務化されていない地域でも、看板が強風や地震などの災害によって落下したり、人や車両などに危害を加える可能性がありますので、広告主や所有者は定期的な点検を実施するべきです。
点検の頻度は地方自治体によって異なりますが、看板を設置してから基本的に15年目までは3年に一度の点検をし、15年目以降の看板の場合は1年ごとの点検が必要とされています。思わぬ事故が発生しないためにもきちんと看板の安全点検をし、看板の管理に努めなくてはなりません。
看板の管理義務を負う者
看板の安全を放置すると、思わぬときに取替えや大規模な補修が生じ、多額の費用負担を強いられることになります。事故が発生した場合には、その管理体制や企業等の責任を問われることになります。
看板を設置したあとの管理義務を負う者は「屋外広告物条例ガイドライン」の第19条と第19の2に定められています。
(管理義務)
国土交通省:屋外広告物条例ガイドライン
第十九条 広告物を表示し、若しくは掲出物件を設置する者若しくはこれらを管理する者又は広告物若しくは掲出物件の所有者若しくは占有者(以下「広告物の所有者等」という。)は、これらに関し補修、除却その他必要な管理を怠らないようにし、良好な状態に保持しなければならない。
(点検)
国土交通省:屋外広告物条例ガイドライン
第十九条の二 広告物の所有者等は、その所有し、又は占有する広告物又は掲出物件について、規則で定めるところにより、法第十条第二項第三号の規定による国土交通大臣の登録を受けた法人(以下「登録試験機関」という。)が広告物の表示及び掲出物件の設置に関し必要な知識について行う試験に合格した者(以下「屋外広告士」という。)その他これと同等以上の知識を有するものとして規則で定める者に、当該広告物又は掲出物件の本体、接合部、支持部分等の劣化及び損傷の状況の点検をさせなければならない。ただし、規則で定める広告物又は掲出物件については、この限りでない。
2 広告物の所有者等は、この条例の規定による許可又は許可の更新の申請を行う場合には、前項の点検の結果を知事に提出しなければならない。
広告物の表示者、設置者、管理者、所有者、占有者は安全な看板を保つ管理義務があるということを定めています。また、第一に所有者または占有者が有資格者による点検義務を果たすべきであるとされています。
看板の安全点検
当然、皆さんができることには限界がありますので、定期点検などのメンテナンス作業は専門の業者に任せてください。皆さんがやるべきことはまずは異変に気づくことです。
下記は看板を所有している方が普段点検しておいた方がいいことと、専門業者に点検してもらう項目をリストにしました。参考にしてみてください。
日常点検項目(基本的に目視点検でOK)
セルフチェック項目 | 対象の看板 | |
---|---|---|
01 | 支柱の根元からサビが出ていないか | 建植看板(ポール・野立て看板など) |
02 | 看板が傾いていないか | 建植看板(ポール・野立て看板など) |
03 | ブラケット部よりサビが出ていないか | 突き出し看板(袖看板) |
04 | 看板は壁から垂直についているか | 突き出し看板(袖看板) |
05 | アクリル板にひびが入っていないか | 共通 |
06 | アクリル板が外れそうではないか | 共通 |
07 | パネル(表示面ががたついていないか) | 野立て看板・壁面看板 |
08 | 照明の不点灯などはないか | 共通 |
09 | 照明器具は傾いたり、外れかけていないか | 外照式看板 |
10 | 看板部材が欠落していないか | 共通 |
専門業者の点検
点検項目 | 対象の看板 | |
---|---|---|
01 | 溶接部分の亀裂や破断の状況 | 共通 |
02 | ボルト・ビスのゆるみの状況 | 共通 |
03 | 構造体の腐食やサビの状況 | 共通 |
04 | 電気配線の劣化状況 | 共通 |
05 | 開閉金具の状況 | 共通 |
06 | 外照式の器具・取り付け金具の状況 | 野立て看板・壁面看板・屋上広告塔 |
07 | コーキングの状況 | 突き出し看板(袖看板)・壁面看板 |
08 | 照明器具の交換 | 共通 |
09 | 看板清掃 | 共通 |
10 | 内部鉄骨の補修・タッチアップなど | 共通 |
11 | 部品交換 | 共通 |
12 | 申請書類の作成 | 共通 |
13 | 定期点検のスケジュール管理 | 共通 |
14 | 点検報告書の作成 | 共通 |
15 | 看板ごとのカルテの作成 | 共通 |
16 | 検査機器を使用した点検 | 共通 |
17 | 臨時点検(震度5強以上の地震や大型台風のあと) | 共通 |
屋外に面している看板であれば、時間とともに少なからず劣化していくものです。ただ、だからといって、落下などすれば、人にも接触する可能性がある以上、劣化しているものをそもまま放置していていいはずがありません。
上記チェックリストに応じて、状況を確認してみてください。
有資格者による点検
看板の点検は以下のいずれかの条件を満たしている専門業者に依頼するようにしましょう。
- 屋外広告士
- 建築士
- 電気工事士、またはネオン工事にかかわる特種電気工事資格者認定証の交付を受けている方
- 第1種・第2種・第3種電気主任技術者免状の交付を受けている方
- 上記にあげる者と同等以上の知識を有すると市長が認める者〔公益社団法人日本サイン協会及び一般社団法人日本屋外広告業団体連合会が実施する屋外広告物点検技能講習の修了者〕
自治体によって有資格者の保有資格に違いがありますが、たとえば大阪府の場合は下記のように定められています。
特に、高さが4mを超える広告物等(※1)については、大阪府屋外広告物条例(※2)により、その所有者・占有者に対して、有資格者による安全点検の実施を義務付けています。
安全点検の有資格者は次のとおりです。
- 屋外広告士
- 特種電気工事資格者(ネオン工事に係るものに限る)
- 屋外広告業の事業者団体が、内閣府の公益認定を受けて実施する広告物の点検に関する技能講習会の修了者
※1 はり紙、はり札、立看板、広告幕及びアドバルーンを除く
大阪府 屋外広告物の安全点検について
※2 「大阪府屋外広告物条例」の適用区域は、大阪市、堺市、豊中市、吹田市、高槻市、枚方市、八尾市、東大阪市、寝屋川市を除く府域です。(平成30年12月現在)
スタンド看板のチェックポイント
キャスター付きスタンド看板を傾斜地に置くと、勝手に動き出して転倒するおそれがあります。また、キャスターは正常な状態かを確認しましょう。歩道へ大幅にはみ出して置くと、通行の妨げになり、交通事故を引き起こす危険があります。立て看板を置く場所がない場合は、壁面に取り付けるライティングパネルも候補に入れるとよいでしょう。
看板の点検・メンテナンスを怠ることのデメリット
看板の点検やメンテナンスを怠った場合、以下のようなデメリットが考えられます。
罰則に処される
看板の所有者・占有者は管理義務があるため、良好な状態を保持する義務を怠ると30万円以下の罰金に処されてしまう可能性があります。
罰金で余計な費用を支払わないためにも、忘れずに看板の点検・メンテナンスをするようにしましょう。
重大な事故を起こしてしまう危険
看板の点検・メンテナンスを怠ると、老朽化した看板が落下などして重大な事故に繋がってしまう危険性があります。現に2015年には札幌市で屋外広告物の一部が落下し、歩行中の女性の頭部にあたって重傷を負ってしまうという事故が発生しています。裁判では業務上過失傷害罪に問われた同店責任者に対し、罰金40万円の有罪判決を言い渡しました。
この看板は設置してから30年以上経過し、ビルの外壁との接合部分が腐食していました。しかし店側は、異常がないと市に報告をしていました。
看板の管理義務を負う者というのは、所有者または占有者が有資格者による点検義務を果たすべきです。実はこの事件を受けて条例を見直すこととなり、これまで管理義務者は表示者、設置者、管理者だけだったのが新たに所有者、占有者が追加されたのです。
看板事故は危険なだけではなく、企業やお店のイメージや信頼が低下し、集客力が落ちてしまう可能性があります。悲惨な事故を起こさないためにも日常点検も含め、定期的な点検をきちんと行いましょう。安全とは未然の防止です。
集客効果が落ちる
看板の点検・メンテナンスは安全のためだけに行うわけではありません。看板の集客効果を維持する上でも重要です。
たとえば、ヴィンテージ看板とは違い、明らかに老朽化して錆びたり色褪せたりしている看板だと、読み手にとっては「このお店本当に営業してるのかな…?」や「このお店美味しいのかな…?」、「このお店衛生面は大丈夫かな?」という不安感を感じさせてしまうこともあります。
つまり、きちんとした状態を維持しているときに与えることのなかった不安や心配を与えてしまうということです。定期的に看板を点検・メンテナンスして綺麗な状態を維持することで、看板の集客効果を維持することができます。
看板メンテナンスの重要性
看板とは、企業や店舗のシンボルであり、消費者に対してブランドや商品などのメッセージを伝えるコミュニケーションの道具です。そのシンボルでもあり、コミュニケーションの道具である看板が製品やサービスの「信用・信頼」、「ブランド」、ひいては企業の「収益」を支えていく為には、看板の「安全は」決して軽くみてはいけないものです。コスト削減を追求するあまり、安全を軽視すれば、失うものは計り知れません。
点検は設置の際に関わった専門業者にお願いすることが基本です。
ただ、設置から時間が経つと、お付き合いされている会社が変わっていたり、設置の業者の情報が明確に記録されていないようなケースもあるかもしれません。看板のメンテナンスについてわからない・相談する業者がいないということであれば、お気軽にご相談ください。
撤去工事例
看板撤去・テント撤去
ご依頼の流れ
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STEP 01
- お問い合わせ
- メールにてお問い合わせをお願いいたします。
撤去する看板やテントの正面や側面からの写真と現場住所をお送りください。
※ ご不明な点があれば電話でも対応しますが、電話で看板やテントの種類や取付位置をお伝えいただいても見積もりは出せません。
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STEP 02
- 見積もり作成
- 送っていただいた写真等から判断して、見積もりを作成します。
見積もりにご不明な点がありましたらお尋ねください。
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STEP 03
- 看板撤去・テント撤去の発注
- 見積もりを提出後、発注いただけた場合には、お客様と撤去作業日を相談して決定します。
撤去作業日までに現場確認等が必要と弊社が判断した場合は現場確認します。
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STEP 04
- 看板撤去・テント撤去作業
- 決定した日時に看板やテントの撤去作業します。
撤去作業当日、作業中のお立ち会いは必要ありませんが、撤去完了後に当日中に現場のお立ち会いをお願いします。
撤去終了予定の時間を事前に伝えるか、終わる1時間前に電話等で連絡します。
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STEP 05
- お支払い
- お支払いは撤去完了日に現金払いか前振り込みでお願いします。